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専修大学シンポジウム「生きづらさのゆくえ」

11/6に専修大学シンポジウム「生きづらさのゆくえ」に参加した。

香山リカさん(精神科医)と、上野千鶴子(社会学者)さんがそれぞれ基調講演をしたあと、専大の教授方とのバネルディスカッションが行われた。

香山リカさんは、診察室を訪れる最近の若者に多い"スプリッティング"を紹介。

自分のイメージについて、「どうせ、オレなんて」という低い自己肯定感と、「私は特別な人間であるはず」という万能感に分裂しており、それがちょっとしたトリガーで入れ替わる。

自己啓発本によって「何者かにならなければならない」という強迫観念を背景に、普通の人間になりたくない、と思っているがそうではない自分とのギャップに苦しんでいる患者が多くいる、とのこと。

上野千鶴子さんは、まず「行きづらさ」を考える場合の心理学と社会学の立ち位置の違いを明確にする。

「心理学は、それを心の問題としてとらえるが、社会学はそれを社会に由来するものと捉え内面に立ち入らない。」

上野さんは、ネオ・リベラリズムが「自己決定・自己責任」の考え方を浸透させたため、80年代から90年代に、非行から自傷へ、という変化が生じたと説く。それ以前は、「政治が悪い」、「資本主義が悪い」、と言えたのに、「努力しなかった自分が悪い」、と変わってしまった。

上野さんの処方箋は、社会学者らしく「行きづらさ」を解消するには「心の持ち方」を買えてもむダメで社会のあり方を、社会的弱者に安心してなれるようにしなければならない、というものだ。

「家族の失敗」、「市場の失敗」を認めて、社会としてどうリスクを再分配するかが課題ということになる。上野さんは「選択縁」(ex.趣味のサークルのような自らが参加するか否かを決められるコミュニティ、ゆるい社会連帯)に期待しているようだ。

●面白い講演会だった。上野さんは期待通り凄かった。香山リカさんは、従来はチャラい感じの人と思っていたが、自分が社会のためになるためにどうすれば良いか考えて熱く訴える人だったのでビックリした。香山さんの講演会も今後フォローしたい。

●私は上野さんに対して、憧れにも似た強い思いがあるが、彼女が批判する「自己決定・自己責任」の原則については彼女の考えとは逆に、私は尊重したい。人生は、遺伝子(才能)・努力・才能の三要素の掛け算で成り立っていると考えるので、セーフテイネットの充実については肯定する。だれもが、遺伝子や運のせいで厳しい状況になりうるのでそれを救済して然るべきである。

しかし、「自己決定・自己責任」の原則を否定することは、自由な社会を否定するパターナリズムを招来することになるのではないか?私は、自分の幸せに関することは自分で自由に決めたい、他の人に決めてもらいたくない。

●平日の昼間だったので年休をとって行ったが、その価値はじゅうぶんあった。











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世界大不況と日本の行方

専修大学大学院経済研究科主催の政策科学シンポジウム「世界大不況と日本の行方」に出席した。

基調講演を浜矩子同大大学院教授が務めた。

印象に残ったのは、以下の点。

「1971年のニクソンショックにより、ドルの基軸通貨の座からの転落が始まり、ここに至り、世銀のゼーリック総裁までがドルがいつまでも基軸通貨ではない旨の発言をした。」

「今後、通貨の大混乱が発生する可能性がある。いつ、1ドル=50円になってもおかしくない。」

つまり、浜教授は、現在のドル安を循環的なドル安ではなく構造的なドル安と捉えている。

ぼくは、米ドル建のETFをたくさん保有しているが、その中には表面はドル建てだが、欧州株、新興国株、商品といった原資産が米ドル以外のものを含んでいる。

浜教授の構造的ドル安論の当否は別にして、真の米ドル建て資産がいくらあるか等、真の通貨別為替リスクを把握できるように月次の資産管理表の様式を再検討する必要がある。

上野千鶴子さんの講演

(財)東京市政調査会が主催した公開講座である「退職サラリーマンの社会貢献」に行った。基調講演を、社会学者の上野千鶴子さんがやった。

上野さんの講演では以下のことが述べられた。

退職サラリーマンは、社会に役に立つということという前に邪魔にならない存在になるべきである。

サラリーマンが退職すればありあまる時間を持つことになる。時間はひとりではつぶせないので、「選択縁」の社会に参加することが大切。そうしないと「濡れ落ち葉」となり奥さんに迷惑になる。

選択縁とは、趣味のサークルやNPO等への参加によってできる縁のことで、選択縁の血縁・地縁(Primary Group)、社縁(Secondary Group)との違いは、選択縁は加入脱退カが自由で、強制力なく包括的コミットメントを要求しないところにある。

選択縁の社会でうまくやってゆくには、場を仕切ろうとしない、スキルは必要とされるときに提供する、縁の下の力持ちを引き受ける、目線の高さを同じにする(上から目線にならない)等がポイント。

1980年代に上野さんが関西の大企業に依頼されてやった調査によれば、退職後のサラリーマンでうまくやっている人は、40代のときから少年サッカーチームのコーチをやっていたり、合唱団に参加しているといった早くから選択縁の社会を持っている人々で、これらの人の特徴は会社では出世しなかった人とのこと。

講演のあとのパネルディスカッションで、袖井孝子さん(シニア社会学会会長)は、精神的に孤立した男性高齢者の話をしていたが、男性は孤立しやすいようだ。

ぼくは、会社では出世していないが、選択縁の社会を全く持っていない。今後の過ごし方を考える上で、いいヒントをもらった気がする。

講演が興味深かったので、帰路に本屋さんにより上野さんの著作でベストセラーとなった「おひとりさまの老後」を購入。
プロフィール

しゅうん

Author:しゅうん
・50才を超えたサラリーマン。家族はキャリアウーマンの妻、子無し。

・55才までにサラリーマンをアーリー・リタイアして、大学か大学院で人間や社会について学びたいと思っています。何を専攻するかのヒントを得るため各種の公開講座に参加するようにしています。

・アーリー・リタイアといっても、完全に仕事から引退するのではなく、週3日~4日は何らかの形で働きたいと思っています。ただし、その場合、好きなことを仕事にするようにしたいと考えています。

・アーリーリタイアの準備(資産形成、健康、生きがい、趣味等)を中心に記事をエントリーしています。

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